インプラント補綴 電鋳加工の応用①
こんにちは。
南館歯科クリニックの院長の木村です。
無歯顎の方のインプラント治療において、上部構造の維持に、電鋳加工を応用したケースをご紹介します。
50代の男性の方で、食事も上手くできず、仕事や日常生活においても支障が出ていました。今回は、しっかりと治療し、もう一度美味しく食事を摂ったり、仕事も頑張りたいと、思い切って来院されたそうです。
今回、インプラントの上部構造に電鋳加工を応用したのは、その特性と適応症を十分に理解していれば、メンテナンスのしやすさ等を考えても非常に優れており、これから迎える超高齢化社会に適応した可撤式補綴装置(取り外し式)の選択肢として有効であると考えているからです。
実際の作業模型およびガルバノクラウン。
インプラントが埋入してある下顎の模型です。アバットメントといわれるインプラントと上部構造を繋ぐ治具がセットしてある模型です。
ガルバノクラウン(電鋳加工)。
インプラントのアバットメントに、ガルバノクラウンを試適した状態です。
ガルバノクラウンを接着してその位置を正確に取り込むための、メタルフレームです。
(上部構造の適合精度を高めるために重要な装置となります。)
これらの装置を使って、直接口腔内で一つ一つ確認しながら記録を採っていきます。
この方は、これまで抜歯や骨整形、リハビリ用の治療義歯、粘膜の調整、インプラントオペのシミュレーション、コンピューテッドサージカルガイドの準備、インプラント埋入など、いろいろな治療を行ってきました。
またこういった全顎におよぶ治療は、咬合(咬み合わせ)も重要なファクターとなってきます。インプラントのオペがいくら上手くいっても、咬合の基準が狂っていれば早期に問題が起こってきます。
咬合に関しては、日本でもトップレベルの歯科技工士である須藤先生と協力し、患者さんの顎関節の動きに調和した機能的な補綴治療を行っていきます。