自分の歯がグラグラするようになったので、インプラントがしたい。|山形市の歯医者|南館歯科クリニック・矯正歯科

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自分の歯がグラグラするようになったので、インプラントがしたい。

こんにちは!
南館歯科クリニックの歯科衛生士、山崎です。

自分の歯がグラグラするようになったのでインプラントがしたい、50代男性の方です。
インプラントは最もメリットとデメリットのバランスが良く、条件がそろえばとても快適な生活を取り戻せる治療です。
一方で、インプラントを良く理解しない状態で治療を受けた事で、トラブルを抱えるケースが未だにあります。



全体的に歯ぐきが赤く、歯石やプラークも目視で分る量がついている。
歯周ポケットからの出血率は100%。(全ての部位から出血する状態)
インプラントをしたい場合は、最低でも10%にする必要がある。
定期的なメンテナンスや歯科への受診歴が無く、痛みが出る都度、治療を繰り返していたとのこと。


特に奥歯では歯周病が重症化し、主訴である①の歯以外にも、②、③、④、の歯で、歯を支える骨(歯槽骨)が無くプカプカとこんにゃくゼリーの上に浮いている様だった。
青〇で囲った部分が、黒く抜けて写っていることから、歯槽骨が無い事が解る。


もし私たちが歯を失ったら、治療の選択肢は3つです。
入れ歯、ブリッジ、インプラントの中から選ぶことができます。
そして、患者さんが希望する治療の適応(口腔内の状態、全身疾患、年齢、コンプライアンス等)に当てはまれば、治療を行うことができます。
適応を無視して、メリットとデメリットだけを考える事が、失敗への第一歩です。

では、インプラントの適応を見てみましょう。

①18歳以上
②妊娠中でない
③持病がない(病気が管理されていれば可能になる事があります。)
④歯周病、虫歯、根尖病巣(根っこの病気)がない(治療を行い改善されれば可能になります。)
⑤麻酔が使用できる、抵抗がない
⑥メンテナンスに通える
⑦ヘビースモーカーではない
⑧必要な骨がある
⑨歯ぎしり、食いしばりを管理できる
⑩治療に対するコンプライアンスを守れる

本来はもっと多くありますが、上記の項目は、最低限絶対に守る事項です。
現時点で不適応でも、改善する事ができれば適応になることも十分あります。

今回のケースは、重度の歯周病と食いしばりで歯がグラグラしており、根尖病巣もある、という状態でした。
インプラントも歯と同じ様に、歯周病に感染するし、食いしばりによって折れる事もあります。
そして、最大の問題は、悪くなったらまた治せばいいと考えていることです。
今ある歯周病と根尖病巣は、しっかりと治療を行えば取り除けますが、快適な生活を維持する為にはこれを継続する必要があります。

歯周病治療後


安全にインプラントの手術を行える口腔内環境の目安は、歯周ポケット内からの出血が10%以下になっている事です。
治療前は100%でしたが、なんとか10%以内に収まりました。
この数値はインプラントが歯周病になるリスクと比例します。
治療後も安心してインプラントをお使い頂く為には、良い状態を維持する努力が必要です。

歯周病の治療は、インプラントに限らず、全ての歯科治療においてその治療の成功の鍵を握っています。
治療後も、不自由なく快適に使って頂くためには、病気にを回避し悪化を防ぐ知識と技術が、歯科医院と患者さんの双方に必要です。
歯周病治療は、今ある病気を治す事も重要ですが、この知識を患者さんが身に着ける為のトレーニング期間でもあります。
10年後も「治療をやってよかった」と感じる方が増える様に、これからも歯周病治療の重要性を伝えていきたいとおもいます。