インプラント治療には様々な噂があります。
よくある噂について回答させていただきます。
インプラント治療専門あるいはそれに特化した歯科医院の方が安心?
歯を失った方の口腔内は、そのほとんどが他に多くの問題を抱えています。
インプラント治療だけで解決する方は、まずいません。
ほとんどの方が、歯周病で中程度から重症化している場合がほとんどです。またむし歯や不正咬合、詰め物や被せ物の不適合、不適切な根管治療による根尖病巣(根の病気:無症状が大半です)など、多くの複合的な問題を抱えています。
その為、失った原因から見直し、今後歯を失うことのないように総合的に解決していくことが大切です。
インプラント治療だけでは、本当の意味での解決にはなりません。口腔内は、一単位です。
インプラントは一生もの?
答えは嘘です。インプラントは決して魔法の治療ではありません。
定期的な専門メンテナンスと普段のセルフケアは必須です。
インプラントも天然歯と同じように、ケアを怠れば炎症を起こし、支えている歯周組織が腐敗して歯周病のような状態になります。
また上部構造の緩みや脱離、破損などが起こることもあります。
患者さんの自身のケアに対する意識が高く、メンテナンスの重要性をしっかり理解し受けていれば、インプラントの耐久性も飛躍的に向上します。
車と同じです。便利で生活に欠かせないものですが、どんなに高価であってもメンテナンスをしなければダメになります。メンテナンスをしっかり行い、大切に使用するからこそ長い間現役で活躍してくれるのです。
インプラント治療は100%安全?
医療に100%という概念はありません。
同じ材料、同じ術式、同じ設計でも、一つとして同じ結果はありません。
特にインプラント治療は、体内に異物を入れるものであり、結果に大きな差がでる治療といわれています。
同じシステムや術式でも、治療を行う術者の診断や考え方、技量により、結果はすべて異なります。
歯が抜けた場合はインプラントを入れれば大丈夫?
現代歯科医療の進歩はめざましいものがあり、一昔前はインプラントを諦めていたケースでも、治療を行えるようになりました。
しかし、どのような条件でも可能というわけではありません。もともと良い口腔内環境であれば、歯を失うことや骨を失うことはなかったはずです。歯周病やむし歯、根尖病巣などで抜歯に至ったのであれば、十分な骨が無いことがほとんどです。
その場合は、骨を造る処置や粘膜を増やす処置を行いますが、もしそれが出来なければインプラント治療は行えません。
また、抜歯に至った原因が解決できなければ、それもまたインプラントの適応ではないのです。