精密根管治療の流れ|山形市の歯医者|南館歯科クリニック・矯正歯科

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精密根管治療の流れ

根管治療の第一ステップは、
むし歯を完全に取り除くことから
スタートします

ここでも必ずマイクロスコープを使用します。
全て除去することが大切になりますので、むし歯検知液も併用し、
徹底的に感染歯質を除去します。成功を左右する大事なステップです。

01ラバーダム防湿

むし歯を完全に取り除いたら、ラバーダム防湿(ゴムのマスク)を行います。
ここで重要となるのは、隙間から唾液が侵入しないこと、治療中の強力な薬剤が口腔内に漏れないようにしなければならないということです。

ラバーダムを装着した状態

02隔壁処置

ここで初めのステップに戻りますが、むし歯を完全に取り除いた後、ラバーダムを維持する歯質がない場合、先に接着性のレジン(樹脂)で壁を作り、歯の周りが全周壁になるように処置をします。これを隔壁処置といいます。
いくらラバーダム防湿を行っても、ラバーを完全に維持する壁がなければ、隙間ができ、そこから唾液が侵入して唾液経由で根管内に細菌が入ることで治療自体が台無しになってしまいます。このことから隔壁処置はとても重要な処置となります。

ラバーダムの重要性

ラバーダム防湿は、アメリカ歯内療法学会のガイドラインでは根管治療時の装着は必須とされています。
しかし日本での装着状況は、わずか6%程度です。
口腔内は細菌だらけで、唾液の中にも想像をはるかに超えた数の細菌が存在します。
そのような環境の中、ラバーダムもせずに根管治療を行えば簡単に根管内は感染してしまいます。
ラバーダムは、唾液の侵入を阻止(細菌の侵入を防止)し、また強力な薬剤を安全に使用するためにも必須なのです。

  • むし歯を除去した直後です。
    一部むし歯が歯肉の中まで進行し、壁が欠損しています。

  • 樹脂(レジン)で欠損した部分に壁を作る隔壁処置を行ったところです。

  • 被せ物(メタルのコアも含め)とむし歯を除去したところです。
    歯の全周にわたり、健全な歯質の壁がありません。

  • 樹脂で壁を作る隔壁処置を行ったところです。

  • 全周に壁ができたことで、しっかりとラバーダムを装着することができます。

03超音波チップによる根管内清掃

むし歯の徹底除去、必要に応じて隔壁処置、ラバーダム防湿を行った後に本格的に感染した根管内の治療を行います。歯根と言われる歯の根っこは細く、その内側にある根管内はさらに細く入り組んでいます。この根管を、歯を削るための器具で不用意に削ってしまうと、削りすぎて歯質が薄くなり、割れやすくなったり、最悪の場合は歯根に穴が開いてしまう恐れがあります。
その為、当院では、細い根管内の汚染物や、むし歯、神経の残骸などは、超音波の器具を使用して専用の超音波チップで振動を加えながらこそぎとるようにして機械的清掃を行っていきます。
これと並行して、強力な殺菌作用のある薬剤を使用し、化学的清掃も行います。

04LAD治療

状況により、LAD光殺菌も使用します。
徹底して根管内の殺菌・清掃を行っていきます。

  • 専用の光感受性薬剤を入れた状態です。

  • 強力な光レーザーをあて殺菌します。

05根尖確認および根管充填

上記の処置を何度か繰り返し、根管内が綺麗になり、歯根および根周囲組織が治癒しやすい環境が整ったら、根管を緊密に封鎖する処置(根管充填処置)を行います。

緊密な根管充填

この根管充填は、アメリカなどで主流の垂直加圧法で行っていきます。
密封度が高く隙間ができにくいため、細菌が再度侵入しにくくなります。
しっかりと緊密に根管を封鎖し、漏洩をなくすことがとても大切で、再発を防止するための重要なステップとなります。
また根尖の破壊や根管内に穴が開いてしまっているケースでは、緊密な封鎖が困難なため、海外で評価の高いMTAといわれる薬を使用し、根管の確実な封鎖を行います。

06支台築造

緊密に根管内を封鎖する根管充填処置を行った後、次は支台築造(コア・ファイバーコア)を行っていきます。根管治療を行った歯は、竹筒のように中が空洞化しています。(ただし根管部分は、根管充填により封鎖されています。)したがって、このままでは強度はもちろんのこと、最終的な補綴治療(詰め物・被せ物)が行えないので、土台を作る必要があります。これは、根管内が再度汚染されないようにする目的も兼ねていますので、大切な治療となります。

当院では、都度適切とされる材料を使用するようにしています。
ここで重要なのは、歯と一体化するための接着という概念です。
細菌の侵入を防ぐ目的もありますが、しっかりと接着することで、強度も最大限発揮できるとされています。
その為、ここでもマイクロスコープを使用し、接着阻害因子等を徹底的に取り除き、接着処理を行います。
この分野は進歩が著しいので、常に情報を得るようにし、適切な方法・材料を選択し、治療を行っていきます。

07精度の高い歯冠修復

支台築造後は、最後のステップとなる歯冠修復処置を行います。根管治療を行った歯は、基本的に被せ物で歯を全て覆う治療となります。特に奥歯は、様々な論文からも、適切な被せ物を装着することで補強がしっかりとされ長期的に安定することが証明されています。適切な被せ物とは、精度の高いものを、適切な環境のもと、適切に処理を行い、接着したものを指します。これにより細菌に対する抵抗性も増し、2次虫歯等のリスクも軽減することができます。

マイクロスコープ下での支台歯形成

  • 被せ物との境目になるマージンを、
    マイクロスコープ下で一本のラインとなるよう丁寧に形成します。

  • むし歯の再発を防ぐ目的として、マージンの位置を歯肉溝内に設定するため、
    マイクロスコープ下で形成を行っています。

シリコン材による精密印象 型採り

  • 歯肉内のマージンの形態を正確に取るため(型どり)、
    専用の糸を入れています。

  • 型どりの直前に糸をとります。

  • 専用のシリコン材を流し込みます。

  • 精密印象(型どり)が終わったところです。

  • マージン(被せ物との境目になる部分)部が、くっきりと記録されているのがわかります。

08被せ物の装着

精度の高い補綴治療(詰め物・被せ物)は、歯の削り出しや型どりの段階から、高い精度が求められます。ここでもマイクロスコープを使用し、慎重に形成を行った後、シリコン材を用いて正確に型どりを行い、肉眼での治療とは別次元の精度の高い被せ物を作製して接着します。