こんにちは。
南館歯科クリニックの歯科衛生士、山崎です。
歯周病治療の症例をご紹介します。
50代女性の方です。
仕事と家事や育児が忙しく、自分の身体に時間をかける事が難しい環境が続き、10年ぶりに歯科を受診。
歯周病の程度は中等度と一部(上 前歯)重度になっており、
上前歯が6カ月前から腫れだし、痛みとグラつきがかなり強くなったことで来院されました。
治療前
写真からも腫れていることはわかります。
レントゲン写真
左下には他院で治療したインプラントが2本入っています。
そして、上の前歯は広い範囲で骨がなくなっています。
細菌感染によって骨が溶けたことで、歯ぐきが歯から完全に剥がれておりプカプカ浮いている状態です。
少し抑えただけで出血があり、歯ぐきがズレるのがわかります。
ずらした歯周ポケットの中に白く粗造な歯石が付着しているのが見えます。
(動画参照)
6カ月前に症状が発現し、だんだん強くなっているという状況を考えると、
すでに埋入してあるインプラントが、歯周病の感染を起こすリスクが非常に高くあります。
歯周病治療を行って、上の前歯の抜歯を行うか。
歯周病治療後、経過観察をする(悪化する場合は抜歯の選択肢を考慮)という、
患者さんにとって難しい選択肢しか残っていない状況でした。
治療前 治療後
全体的に、腫れや赤みは改善されています。
今回、患者さんは後者をご希望されました。
私たちも可能な限り、患者さんのご希望に添えられるよう尽力していきます。
インプラントや周囲の歯への感染が起こった場合のリスクと対処方法を患者さんとしっかり共有し、
引き続き徹底したプロフェッショナルケアとセルフケアで継続管理していく必要があります。
インプラントでも、ご自身の歯でも、管理が行えないと必ず問題が起こってしまいます。
「治療をやったから大丈夫」とは思わないで、治療を繰り返さないようにしたいと思っていただけるよう、研鑽していきたいと思います。