こんにちは。
南館歯科クリニックの歯科衛生士、山崎です。
歯周病が原因で口臭が発生した方の治療例をご紹介します。
40代男性、歯周病の程度は中等度です。
痛みはなく、家族から口臭を指摘されたことをきっかけに、来院されました。
歯を支える骨が、細菌により溶かされることで「歯周ポケット」が形成されます。
この方の場合、深い場所で6mm、平均で4mmの骨が溶けていました。
口臭について指摘されるのは、とても辛い事ですよね。
でも、口臭も歯周病も改善することができます。
まずは、病気の原因を知ることが大切です。
口臭の原因の多くは、歯周病や虫歯、口内炎等の病気が原因であることが少なくありません。
また、たばこや飲酒などの生活習慣も口臭の原因となることがあります。
歯周病や口臭を引き起こす細菌の天敵は、酸素です。
(歯周病菌などの偏性嫌気性菌は酸素にあたると死滅する)
歯周ポケットが3mm以上なることで、ポケットの底が酸素の薄い環境になるだけでなく、歯ブラシでは磨けない範囲が増え、エサになるたんぱく質(血液)も豊富に存在するようになります。
そして、磨けないことでプラークが歯石になり、さらに細菌の繁殖を手助けし、深いポケットは歯周病菌の歯周病菌の楽園になってしまうのです。
(ヒトの歯周病菌を光学顕微鏡で撮影した画像。)
歯周病治療の目的は、細菌にとって住みにくく、繁殖しにくい環境を作ることです。
毎日ご自身で行うブラッシング(セルフケア)で、歯の表面に付いた細菌を隅々まで剥がしていきます。
そして歯科医院では、歯ブラシで落とせない細菌や歯石を完全に取り除きます。
肉眼では見えない歯の隙間はもちろん、深くなった歯周ポケットの底に至るまで、隈なく除去していく必要があります。(プロフェッショナルケア)
セルフケアとプロフェッショナルケアがお互いに十分行えることで、初めて回復に向かうのです。
治療動画↓
①
https://youtu.be/IOoVwORui0o
②
https://youtu.be/SakYVbThIFA
治療後お口の中
歯周病の進行過程に痛みは無く、ご自身で察知することは極めて困難といえます。
自覚症状の有無に限らず、かかりつけ医で定期的に歯周精密検査を行い、細菌の感染が無いかチェックすることが最も正確に状況を知る有効な手段です。
理想は、歯周病を発症する前か初期(ポケットが3mm以内で、骨が溶けていない状態)での予防的な治療介入が最も良いです。
歯周病や口臭を改善することは、簡単ではありませんが、努力すれば改善することができます。
今回の指摘が良い切っ掛けとなり、これからの健康に向けて改善の一歩となるようサポートさせていただきます❣