「口臭=舌苔」の思い込みは危険です!
みなさんこんにちは。
南館歯科クリニックの歯科衛生士、佐藤です。
「もしかして、私の口臭ってる?」
気になますよね。
口臭で悩んでいる方はとても多いです。
しかし、誰にも相談できず、インターネットで口臭の原因や対策を検索している方が多いようです。
そしてその対策方法を実践しても口臭が無くならず、最終手段としてクリニックに相談に来てくださいます。
歯医者がインターネットの情報に負けてしまっている現実・・・。
悲しい事実・・・。
口臭で悩んでいた方々のほとんどが行っていた口臭対策として以下のものがあります。
1.舌磨き
2.マウスウォッシュの使用
3.口腔乾燥を防ぐためのジェルの使用
4.ガムやタブレットの使用
5.いい臭いの歯磨き粉の使用
あれ?歯磨きは?
みなさん頑張って対策をしていただいていたようですが、それでは口臭は無くならず、相談に来てくれています。
それでは、本当の口臭の原因と、本当にやるべき口臭の対策をお伝えしていきます。
1.口臭の主な分類と原因
口臭は、大きく分けて以下の4つに分類されます。
①生理的口臭(誰にでもある一時的な口臭)
健康な人でも、誰しも1日の内で増減を繰り返す口臭です。唾液の分泌が減ることで、口の中の細菌が繁殖しやすくなり、臭い成分(揮発性硫黄化合物など)が作られます。
・主な原因:
・起床時:寝ている間は唾液の分泌が大きく減るため、朝起きた時は特に強くなります。
・空腹時・緊張時:ストレスや空腹時も唾液が減るため、口臭を感じやすくなります。
・飲食やホルモンバランスの変化:ニオイの強い食べ物(ニンニクなど)のほか、女性の場合は生理周期やホルモンバランスの変化に伴う唾液量の減少も影響することがあります。
②歯科的疾患による口臭(お口のトラブル)
お口の中に何らかの病気や問題があるケースです。全体の大部分がこのカテゴリーに含まれます。
・主な原因:
・歯周病:歯周病菌は強い臭いのガスを産生します。また、歯ぐきから出る膿(排膿)や出血も強烈な口臭の原因になります。
・むし歯:特に進行して穴が空いたむし歯の中に食べかすや汚れが溜まり、中で細菌が繁殖すると強烈な臭を放ちます。
・合ってない被せ物や詰め物:すき間にプラーク(歯垢)や汚れが入り込み、清掃不良になることで臭いが発生します。
・ドライマウス(口腔乾燥症):唾液の量が慢性的に少ないと自浄作用が低下して細菌や舌苔が急増します。
・舌苔(ぜったい):舌の表面に、剥がれた粘膜のカスや細菌が溜まって白っぽくなったもの。
③全身の疾患による口臭(内科的・その他の病気)
お口の中ではなく、体の他の病気が原因で肺や血液を介して臭い成分が呼気に出てくるケースです。
・主な原因:
・耳鼻咽喉科系の病気:慢性副鼻腔炎(蓄膿症))や扁桃炎などにより、膿が喉の奥に溜まったり、鼻の奥で細菌が繁殖して臭う場合。
・消化器系の病気:胃炎や逆流性食道炎などで胃の内容物やガスがあがってくる場合。
・その他の全身疾患:糖尿病(特有の甘酸っぱい臭い)、肝機能障害(アンモニア臭)、腎機能障害など
④心理的口臭(自臭症)
検査をしても実際の口臭はほとんど、あるいは全くないにもかかわらず、「自分は口臭がするのではないか」と強く思い込んでしまう状態です。ストレスや過度な不安、周囲の何気ないしぐさが気になってしまうことなどが引き金となります。
2.なぜネットでは「舌苔」ばかり言われるのか?
インターネットや市販のケアグッズの広告で「舌苔」がこれほどクローズアップされるのにはいくつかの理由があります。
・「誰にでもある分かりやすい目に見える汚れ」だからです。
鏡を見た時に白い物が付着していると「これが犯人だ!」と視覚的に分かりやすく、ケア方法(舌ブラシで磨くなど)も単純なため、情報として拡散されやすい傾向にあります。
・実際にお口の臭いの多くに関係しているから。
口臭を測定する機械(オーラルクロマなど)で調べると舌苔から生じるガス(主に硫化水素)が大きな割合を占めることが多いため、「口臭=舌苔」という図式が定着しています。
しかし、どれだけ一生懸命に舌をきれいにしても、歯周病を治療せず放置していたり、唾液が出にくい状態などが改善されなければ、根本的な口臭の改善にはなりません。
3.正しい対策へのアプローチ
ご自身の口臭が気になる場合や、効果的な対策を知りたい場合は、以下のステップがおすすめです。
1.まずは歯科医院で全体的なチェック
自分では気づきにくい「歯周病の初期症状」や「隠れたむし歯」「詰め物の不具合」が無いかをプロに診てもらうのが一番の近道です。
あわせて、唾液の分泌量や正しいセルフケアの方法(歯磨きや舌のケアの力加減など)のアドバイスを受けられます。
2.お口の乾燥を防ぐ
日頃から水分をこまめにとったり、よく噛んで食べる(唾液腺のマッサージも効果的)ことで、お口の自浄作用を高めることができます。
3.過度な「舌のケア」に注意する
舌苔が気になるからといって、毎日何度もゴシゴシとブラシで強く磨いてしまうと、舌の粘膜を傷つけて味蕾(みらい:味を感じる組織)を痛め、かえって口臭を悪化させる原因になります。
口臭の原因は舌苔だけでなく、歯ぐきの健康状態や唾液の量、鼻や喉、あるいは全身の体調など多岐にわたります。
中でも、口臭の8割は口腔内由来と言われています。
口臭があるかも?と思ったら、まずは歯医者さんに行って検査をしてもらうことをおすすめします。
正確な検査と歯科医師、歯科衛生士のプロの目があれば、口臭が本当にあるのかどうか。そして、口臭の原因が何なのか。それに対する適切な処置が何なのか。が分かるはずです。
口臭を一人で悩まずに、歯科医院で相談してみてください。
南館歯科クリニックでは、正確な口臭測定器「オーラルクロマ」を用いて検査することが可能です。
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